急性 リンパ 性 白血病。 急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

急性リンパ性白血病(ALL)とは?|原因と診断|急性リンパ性白血病(ALL)を学ぶ|がんを学ぶ ファイザー

急性 リンパ 性 白血病

概要 急性白血病とは、白血球や赤血球・血小板をつくるために重要な「造血幹細胞」が悪性腫瘍としての性格を有するようになる病気です。 急性白血病で悪性化を起こした細胞は、正常通りに成熟することができなくなってしまいます。 血液細胞をつくる骨髄が細胞で占められるようになった結果、健康な状態では問題にならないような病原体に対して感染しやすくなったり、動悸や息切れ、顔色不良などの症状を呈するようになったりします。 また、出血傾向を示すようにもなります。 急性白血病は腫瘍化した細胞に応じて、とに大きく分けることができます。 さらに、どのような遺伝子異常があるかどうかによって非常に細かく分類されています。 急性白血病の種類によっては治りやすさ、治療に対しての反応性が異なることも知られています。 急性白血病は、抗がん剤を用いた化学療法を中心にして治療することになります。 治療反応性が悪い場合や再発を起こした場合は、が選択されることになります。 原因 血液中を循環する血液細胞には、大きく白血球、赤血球、血小板の3種類があります。 それぞれ、病原体から体を守る、酸素を組織に運ぶ、出血時に血を止める、といった役割を担っています。 これら血液細胞は、骨の中に存在する「骨髄」と呼ばれる組織でつくられています。 血液細胞がつくられる際、特に重要なものが「造血幹細胞」です。 造血幹細胞は、未熟な段階では白血球、赤血球、血小板といった各細胞特有の役割を有してはいません。 その代わりに、どの細胞にも分化が可能です。 造血幹細胞は、血液細胞が枯渇しないように、自分自身を複製することができます。 急性白血病は、造血幹細胞が悪性腫瘍へと変貌することによって発症します。 造血幹細胞のなかでもどのレベルにおいて悪性腫瘍になったかによって性格は異なり、やなどに分類されます。 急性白血病では、遺伝子異常を呈することが知られています。 小児に多い急性リンパ性白血病では、ETV6-RUNX1と呼ばれる融合遺伝子を有するものが代表的です。 また、成人になるとBCR-ABLと呼ばれる融合遺伝子をもつ急性白血病の頻度が高くなり、治療方針決定に重要な情報になります。 実際にはこれら以外の遺伝子変化も実に多く知られており、急性白血病の予後や治療反応性を推定する上で有益な情報となります。 検査・診断 急性白血病では、血液検査や骨髄検査が重要です。 血液検査 の進行や血小板の減少、白血球数の異常(増加することもあれば減少することもあります)などがみられます。 急性白血病の原因は骨髄にありますが、細胞が末梢血液中に漏れ出てくることがあり、顕微鏡で確認できます。 骨髄検査 異常細胞を含む検体を採取することになります。 白血病細胞のタイプを確認するために、CD4やCD19、CD45などといった白血病細胞の表面にあるタンパク質をフローサイトメトリーと呼ばれる方法で検索します。 また、染色体が異常を示すこともあるため、染色体分析G-バンド法と呼ばれる検査も行います。 その他、治療方針を決定するために特定の遺伝子異常の有無を評価します。 骨髄検査は診断時のみならず、治療効果を判定する際にも行われます。 顕微鏡的に検出できない場合でも体内に白血病細胞が潜んでいることがあります。 肉眼レベルよりも高い感度で白血病細胞の有無を評価するために、PCR法と呼ばれる検査が行われます。 また、髄液検査は、臨床経過から再発が疑われる際や、髄液中への白血病細胞の侵入を評価する際にも行われます。 治療において髄液中に薬物投与を行うこともあるため、その際にも採取されます。 その他、胸部単純レントゲン写真やCT、MRIなどの画像検査も行います。 全身臓器評価を兼ねて、血液検査や呼吸機能検査、尿検査なども適宜行われます。 治療 治療の中心は、化学療法になります。 どういった薬剤を、どのような期間使用するかはのタイプや年齢などによって異なります。 化学療法中にはさまざまな合併症が生じることがあるため、輸血や抗生物質、輸液などによる支持療法も重要です。 急性白血病では、標準化された治療に対して抵抗性を示すこともありますし、治癒した後に再発することもあります。 再発部位(骨髄なのか、中枢神経なのか)や時期、白血病のタイプなどの情報をもとにしてその後の治療方針が決定されます。 そのため、初期治療とは違った化学療法や、放射線治療などが行われます。 血縁者や骨髄バンクドナーからの同種を行うこともあります。 急性白血病のタイプによっては、特殊な薬剤が効果を示すことがあります。 治療経過や予後、薬物反応性は急性白血病のタイプによってさまざまです。 そのため、急性白血病では、正確な診断をもとに治療方針を決定することが重要です。 承認されて間もない薬のため、副作用について特に慎重に検討がなされています。

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急性リンパ性白血病(ALL)で起こる合併症とは?|白血病大事典

急性 リンパ 性 白血病

血液の細胞は骨の中にある「骨髄」で作られますが、白血病細胞も骨髄で増殖します。 骨髄に細い針を刺して中身を検査(骨髄検査)し、白血病細胞がたくさん存在していることで白血病と診断されます。 白血病細胞は増殖し続けますので、白血病になると正常な血液を作る力が抑えられてしまい、正常な血液の細胞(白血球・赤血球・血小板)が減ってしまいます。 正常な白血球は主に免疫力を担っています。 ですので、少なくなってしまうと、「感染症にかかりやすくなる」「感染症が治りにくくなる」「通常の免疫力があればかからないような感染症になる」などの症状が出ます。 白血病と診断された時には、白血病細胞が血液の中にもたくさんみられることがあります。 白血病細胞は通常の血液検査では「白血球」として数えられてしまいますので、診断された最初のころの「白血球」の数はむしろ多くなっていることもありますが、正常な白血球は減っていることがほとんどです。 正常な赤血球は主に酸素を運搬する働きをしています。 酸素は細胞が機能するために必須なので、少なくなってしまうと、いわゆる「貧血」の症状としてだるさやめまいなどが現れます。 過度に少なくなると、体の臓器が正常に機能することができなくなってしまいます。 正常な血小板は主に出血を止める役目を果たしています。 ですので、少なくなってしまうと血が止まりにくくなり、大量に出血してしまったり、重要な臓器(脳など)に出血をしてしまったりすることがあります。 そのほかに、白血病細胞が骨髄の中で増えることにより骨が痛くなることがあります。 また、リンパ節や肝臓・脾臓に白血病細胞がたまることによって大きくなり、首や足の付け根などにしこりができることがあります。 それぞれの症状の程度は個人差がありますので、すべての白血病の方に同じ症状がでるわけではありませんが、白血病細胞は自然になくなることはありませんので、治療をしないとこれらの症状が進行し、命に関わる状態になってしまいます。 白血病にはどのような検査・治療を行いますか? 白血病細胞は血液の中を流れていますので、手術で治療するのではなく、薬を使った治療(=化学療法)をします。 数十年前までは、小児の白血病はほとんど治らない病気でした。 しかし、薬をどのように使うのが効果的なのかが分かるようになったことと、治療を手助けする支持療法が進歩したことなどによって、長期生存率はおおきく向上しました。 なるべく高い確率で治し、かつ副作用を最小限にとどめるためには、白血病細胞の性質をよく調べて分類をし、その特徴にあった薬の組み合わせと量で治療をすることがとても重要です。 白血病の分類の一つが「急性」と「慢性」および「リンパ性」と「骨髄性」の分類です。 骨髄の中にみられた白血病細胞を調べた結果によって、例えば「急性リンパ性白血病(ALLと略します)」と分類されます。 急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病(AMLと略します)は共通する薬を一部に使いますが、治療の全体としてはかなり異なりますので、この分類をしっかりすることがとても重要です。 急性リンパ性白血病は、「B前駆細胞型」「成熟B細胞型」「T細胞型」の3種類にさらに分類され、それぞれによって治療の内容が異なります。 成熟B細胞型の急性リンパ性白血病(ALL)は、リンパ腫と同じような治療を行うことが必要なため、リンパ腫の説明ページをご覧ください。 急性リンパ性白血病と診断が確定したら、ステロイド剤と抗がん剤を組み合わせた治療を行います。 そこで、最初に白血病細胞に様々な検査を行います。 結果は後日わかるものが多いので、まずは治療をはじめ、その結果によって治療の強さを調整します。 さらに、初期の治療により白血病細胞があまり減らない場合も、治療を強化したほうがいいことが分かっています。 このようにして、病気の細胞の「てごわさ」を予測して治療の強度を調整する(層別化といいます)ことが、白血病の治療でとても大事だと考えられています。 また、脳は髄液という水の中に浮かんでいますが、この髄液の中には点滴などで投与した薬は到達しにくい構造になっています。 本来は脳を守るための機能ですが、白血病の治療をする上ではむしろ問題になることがあり、飲み薬や点滴だけで治療を行うと、髄液の中から白血病が再発することがあります。 髄液の中からの再発(中枢神経再発)する確率を減らすために、髄腔内注射(髄注)が行われます。 背骨の間から細い針を刺し、直接髄液の中に薬を投与します。 また、白血病の診断時にすでに髄液の中に白血病細胞がある場合には、髄注に加えて放射線照射を併用して治療を行うことがあります。 臨床試験とはなんですか? 白血病の治療をよりよいものにするために、国内外で「臨床試験」という形で治療が行われてきています。 再発した白血病などの一部の特別な場合を除き、「試験」といっても効果が不確実な薬剤を試しに使うのではありません。 急性リンパ性白血病の臨床試験では、これまでに行われた国内外の治療を振り返り、さらに改善させようとした治療計画で治療を行います。 ただ、その改善させたつもりの治療計画がほんとうに安全で効果があるのか、確認しながら行っていきますので「臨床試験」という言葉が使われます。 日本を含めた世界各国で臨床試験が行われ、その結果を基にして新たな臨床試験を行う、ということを繰り返して白血病の長期生存率は大きく向上しました。 臨床試験には参加するための基準があります。 現在行われている臨床試験に参加が可能であれば、担当の医師から臨床試験の治療計画の内容について説明を受けてください。 担当の医師と相談しながら、臨床試験に参加して治療を行うか、もしくは以前まで行われていた治療で行うか、強制されることなく決めることができます。 臨床試験に参加して治療を受けた場合でも、治療開始後の状況によっていつでも試験治療を受けるのをやめることができます。 ただ、臨床試験に参加せずに治療を受けたのに、途中から臨床試験に参加することはできません。 治療の期間はどれくらいですか? ステロイド薬を長期に投与すると、血圧が高くなる、食欲が増える、肥満、糖尿病、骨がもろくなる、感染症をおこしやすくなる、感情の起伏が強くなる、目が痛くなる(緑内障)などの症状が出ることがあります。 ステロイドの投与を終了すると改善するものがほとんどですが、急性リンパ性白血病(ALL)の治療においてステロイドはとても重要な役割を果たすため、たとえば血圧が高くなってもステロイドの投与は中止せず、血圧を下げる薬を併用しながら治療を継続します。 ステロイド以外の抗がん剤にも副作用があります。 抗がん剤は「増える細胞を倒す」性質を持っているので白血病細胞に効果がありますが、正常な細胞のなかで増える速度が速い細胞に影響が出ます。 増える速度が速い細胞の代表が正常な血液の細胞です。 そのため、抗がん剤を使うと、血液を作る力が一時的に抑制されます(骨髄抑制)。 つまり、抗がん剤によって白血病による症状と同じような状態になります。 ただし、抗がん剤の副作用は一時的なので、ある程度の時間が経過すれば血液を作る力は回復します。 その回復を待つ間、赤血球や血小板の減少に対しては輸血を行って対応します。 輸血については病院ごとに別の説明文書がありますが、アレルギーや感染症などの危険性があります。 日本では、輸血に対する検査は高い精度で行われているため、輸血を解して感染症にかかる確率は低いですが、ないわけではありません。 そのため、輸血の回数は最小限にとどめるようにします。 また、白血球の減少は輸血で補うことはできませんので、白血球の回復を促す薬を使いながら待つことになります。 白血球の減少している間は免疫力が低下しているため、外泊に出ることはできません。 熱が出た場合はたとえ元気であっても重篤な感染症になってしまう可能性があるため、抗生物質を早めに使うことになります。 また、免疫力の低下している状態が長く続くと「ニューモシスチス肺炎 カリニ肺炎 」という肺炎になってしまうことがあるため、予防するために「ST合剤(バクタ、ダイフェン)」という薬を週に3日飲むことが必要です。 白血球の減少中に感染症を発症すると、生命に危険が及ぶような危険な状態になることもあります。 また、抗がん剤の影響が臓器におよび、重篤な合併症をきたすこともあります。 しかし、輸血による感染症や、感染症などの合併症を避けるあまり抗がん剤治療を弱めすぎてしまうと、白血病の治る確率が下がってしまいます。 白血病の長期生存はここ数十年でどんどん向上していますが、輸血が確実にできるようになったこと、抗生剤による感染対策などの補助治療が向上したために強い治療が可能になったこと、が大きく貢献しています。 最終的に元気な状態で治る確率を高くするためには、一定の強度で治療を行うことが必要です。 髪の毛の細胞も増える速度が速いため、治療中は髪の毛が抜けてしまいます。 抗がん剤が投与されると2週間後ぐらいから抜け始め、入院治療の間は髪の毛がほとんどない状態になります。 入院治療が終われば髪の毛は生えてきますが、最初のころは少しくりくりした髪の毛のことが多いです。 粘膜の細胞も増える速度が速いので、治療によって口内炎が起こったり、下痢をしたりすることもあります。 また、抗がん剤は吐き気も引き起こします。 これらに対しては、痛み止めや吐き気止めを使って手助けをします。 また、抗がん剤が体に入ることで、腎臓や肝臓に負担がかかることがあります。 ほとんどの影響は一時的ですが、稀に機能の低下が残ることがあります。 そのほか、それぞれの抗がん剤に特有な副作用があります。 例えば、「ロイナーゼ」はアレルギー症状をきたしたり、膵炎 腹痛が起こります を引き起こしたりすることがあります。 「アドリアシン」や「ダウノマイン」「テラルビシン」は多く使うことによって心臓に機能障害をきたすことがあります。 「オンコビン」は便秘や手足のしびれなどの症状を起こすことがあります。 「エンドキサン」や「イホマイド」は膀胱炎をおこすことがあるため、点滴を多くして尿が薄くなるようにします。 いずれも治療には重要な薬剤なので、それぞれに対策をして負担を最小限にすることをめざしつつ、治る確率が高くなるように治療を行います。 治療中にはどのような検査をしますか? 治療の効果を判定するために、定期的に骨髄検査を行います。 この状態を「寛解(かんかい)」と言います。 まずはこの状態を目指して治療を行います。 「寛解」にいたることはとても大事ですが、そこで治療を終了すると、骨髄検査では見えないだけでまだたくさん残っている白血病細胞がまた増えてきてしまい、高い確率で白血病が再発します。 ですので、寛解後にも治療を続けることが必要です。 輸血の回数を最小限にするために、また、肝臓や腎臓などにダメージが起き始めていないかを確認するために、治療中は週に2-3回の頻度で採血を行います。 治療薬を投与するためには点滴も必要なので、通常は中心静脈カテーテルをいれ、そこから点滴や採血を行います。 ヘモグロビン値が7ぐらいを目安に赤血球輸血を、血小板数1-2万ぐらいを目安に血小板輸血を行います。 ただし、治療の内容や曜日の関係で、この数字よりも高くても輸血が必要なことがあります。 また、中心静脈カテーテルを挿入するなど、出血の可能性がある処置をする場合には、前もって血小板の値を高めにしておきます。 中心静脈カテーテルとはなんですか? 白血病の治療に使う薬のほとんどは点滴で投与します。 一般的に行うような手などに留置した点滴は、大抵の場合は3-5日ぐらいで薬が入らなくなり、そのつど点滴の針を刺しかえることが必要になります。 また、「7. 治療中にはどのような検査をしますか?」でもふれたように、入院中は頻繁に採血することが必要になります。 これらの採血や点滴留置によるお子さんの負担を減らすために、中心静脈カテーテル CVカテーテルともいいます を使って治療するのが一般的です。 中心静脈カテーテルは、首の血管や鎖骨付近の血管を用いて管の先端を体の中心近くの血管まで届かせるものです。 体の外には鎖骨の下あたりから出てくる形になります。 中心静脈カテーテルは、麻酔をかけて手術室で挿入します。 治療に関連した薬はごく一部のものを除いて中心静脈カテーテルから投与することができますし、採血もカテーテルから行いますので、体に針をさす回数は格段に減らすことができます。 また、白血病の治療に使う薬の中には、皮下などに漏れると炎症を起こす薬剤もありますが、中心静脈カテーテルからであれば安全に投与することができます。 予定された治療が終了した段階で、中心静脈カテーテルを抜きます。 その一方で、体に異物をいれておくことになりますので、中心静脈カテーテルにばい菌がついてしまい熱がでることがあります。 その場合は原則としてカテーテルを抜く必要があります。 また、抜けにくいように工夫がなされていますが、使っているうちに自然に抜けてしまうこともあります。 また、カテーテルの先端は血液の中にありますので、治療の合間などで使わない時も、固まらないようにするためにヘパリンという薬を薄めたものを定期的に通す必要があります(外泊などの際にはご自宅で保護者の方にお願いすることになります)。 ただ、そのような対策をとってもカテーテルが詰まってしまう場合があります。 詰まったカテーテルはやはり抜く必要があります。 治療中、特に気を付ける時期はありますか? 治療の最初の時期は、白血病細胞が体にたくさんある状態で治療を開始しますので、治療によって白血病細胞が一気に壊れ、その残骸が体内にあふれてしまい、腎臓の処理能力を超えてしまうことがあります。 これを予防するために、治療の最初の1-2週間は点滴を多めにして、残骸を薄める対策をとります。 また、残骸の中で「尿酸」という物質は腎臓に対して悪影響がありますので、尿酸を分解するラスリテック(またはザイロリック)という薬を使うことがあります。 また、最初の治療の段階では、白血病細胞によって血液を作る力が抑えられている状態にもかかわらず、血液細胞に影響がある薬を使うことになります。 そのため、合併症が最もおこりやすいのは最初の治療ですので、より慎重に治療を行います。 いったん寛解に至った後も、治療によって白血球が少なくなっている期間は、感染症が起こると重症になりやすい時期なので、発熱など感染症を疑わせる症状が見られた場合には速やかに抗生物質の投与を開始する必要があります。 どんなに気を使っても、空気中にいるばい菌や自分自身の体にいるばい菌によって感染症を起こすことはありますが、感染症を起こす確率をなるべく減らすために、体調が悪い方の面会は控える、面会前に手洗いをする、などについては普段から気をつけましょう。 また、ご家族で、水痘(みずぼうそう)やおたふくかぜなどの「予防接種をしていない」かつ「かかったこともない」のであれば、予防接種をすることをお願いします。 インフルエンザの予防接種もぜひお勧めします。 白血病は治るのですか? 「治療中にはどのような検査をしますか?」の項に書かれている通り、寛解の状態になった後も治療を続けることが必要です。 しかし、寛解の状態では骨髄検査でも白血病細胞は見つからなくなるため、途中の段階で「治った」かを判定することはできません。 白血病細胞の特徴を調べた検査の結果や、初期治療に対する反応など様々な要素を総合し、最も治癒率が高いと推定される薬剤の量と期間で治療を行います。 治療が終了した段階でも白血病の細胞が残っていた場合には、白血病細胞が増殖し、症状が出現したり、検査で検出されたりすることになり、「再発」という状態になります。 まれに治療中にもかかわらず白血病細胞が勢いを盛り返して再発することもあります。 再発の多くは、治療が終了してから2年以内にみられます。 すなわち、治療が終了して2年たっても特に症状がなく、血液検査にも異常がなければ、治った可能性は高いと考えます。 4年たっても特に問題がなければ、「例外的な場合を除いて治ったと考えてもいい」とお伝えしています。 ただし、完全に再発の可能性がなくなるのは何年後か、ということはまだ分かっていません。 そのため、厳密な意味で「治癒率」という言葉を使うことはできずに、「長期生存率」という言葉で表現します。 小児急性リンパ性白血病の「小児」というのは何歳までのことですか? 急性リンパ性白血病は小児にも成人にも発症する病気です。 治療に関する基本的な考え方は同じですが、小児の急性リンパ性白血病のほうが化学療法が効きやすい場合が多いこと、さらに、小児のほうが強い化学療法に耐えられるため、相対的に強力な化学療法が行われること、などから、成人に比べ小児のほうが長期生存率が高いことが知られています。 また、最近の国内外の臨床研究の結果からは、15-25歳の「思春期・若年成人」の急性リンパ性白血病は、小児の急性リンパ性白血病で行われるような強力な化学療法を行ったほうが長期生存率が高いことが分かりました。 そのため、急性リンパ性白血病においては、20-25歳までは「小児急性リンパ性白血病」と扱って治療に望んだほうがいいと考えられています。 骨髄移植をする可能性はありますか? 骨髄移植と同じような治療が臍帯血や末梢血幹細胞などを使ってもできるようになったので、最近では「造血幹細胞移植」と呼びます。 造血幹細胞移植は白血病の治療で最も強力なものですが、その一方で体にあたえる影響も大きいです。 そのため、化学療法のみでは長期生存率が低いと考えられる場合にのみ造血幹細胞移植を選択します。 具体的には、 ・白血病細胞の特徴を調べた結果、通常の化学療法のみでは再発率が高いと予想された場合 ・化学療法を開始しても白血病細胞がなかなか減らない場合 ・再発してしまった場合(再発の時期にもよります) これらの場合には造血幹細胞移植が選択肢として考えられます。 造血幹細胞移植について詳しくお知りになりたい場合、造血幹細胞移植の説明文書をご参照ください。 白血病はなぜ発症するのでしょうか?遺伝や環境は関連しますか? 小児の白血病の発症は、まれな例外を除いて、遺伝や生活の環境などの特定の原因による影響は少ない、と考えられています。 細胞は日々分裂していますが、増える量は厳密に制御されています。 分裂して増える過程で、DNAという細胞の設計図をコピーして使いますが、そのコピーはとても正確ですが、何万回・何十万回とコピーすると間違いが起こることがあります。 間違いのある設計図で作られた細胞はほとんど場合は排除されますが、まれに排除されずに、しかも過剰に増えるような「間違い細胞」ができてしまうことがあり、これががん細胞です。 たばこと肺がんの関係はよく知られていますが、これは喫煙がこの「間違い」が起こる確率を増やすためと考えられています。 しかし、小児の白血病の場合は、特殊な場合を除いて発症の誘因となるようなものはなく、偶然の確率で起こる病気だとされています。 もっと早期に診断したほうがよかったのですか? 白血病の治癒率に一番影響するのは、白血病細胞自体の性質です。 また、治療が不十分な場合も治癒率が下がります。 つまり、治癒率をあげるためには、しっかりと白血病細胞の特徴をつかみ、それにあった治療を十分にできることが最も重要です。 白血病のお子さんの経過を振り返ってみると、診断されるよりも以前から症状があったことがほとんどです。 症状が出始めた段階で検査を行えば診断できた可能性はありますが、白血病を早期に診断したとしても、最終的になおる確率にはほとんど影響しません。 治療の終了後に残るような影響はありますか? 現在行われている化学療法によって、治療終了後に著しい影響を残すことは少ないと考えています(造血幹細胞移植を除く)。 ステロイド剤によって骨がもろくなり、しばらく運動の制限が必要になることがありますが、ほとんどの場合は元通りに生活できます。 小児期に抗がん剤を使った治療を行いますが、重い合併症を併発して影響が残ってしまった場合や造血幹細胞移植を行った場合を除き、身体的・知的な発達に大きな影響はないと考えられます。 しかし、治療に使う薬によって、まれに成長障害・内分泌障害 ホルモンの不足 ・その他の臓器の障害がおこることがあります。 これらの問題は成長してはじめて明らかになる場合もあるため、少なくとも20歳までは定期的に外来に通院していただくことをお願いしています。 しかし、現在、日本人の死因の中でがんはもっとも多く、抗がん剤治療を受けていない人でも約半数の方が生涯の中でがんを経験します。 そのため、もし二次がんを発症した場合でも、抗がん剤治療と関係があるのか、つまり治療を受けなかったらその「がん」を発症しなかったかどうかは分かりません。 二次がんは重要な合併症ですので、関連が強いと疑われる薬剤などは可能な限り少なくするような治療を行いますが、「6. 治療の副作用にはどのようなものがありますか?」でも述べたように、過剰に治療を弱めることは、白血病の治る確率を下げてしまいます。 そのため、白血病のお子さんが元気に成長して一生を過ごすことができる確率が最も高いと考えられる治療を行いたいと考えています。 退院後に気を付けることはありますか? 「10. 白血病は治るのですか?」でも書かれている通り、再発の可能性はどの時期でも「絶対にない」と言い切ることはできません。 ですが、生活の中の一般的なできごとが再発する・しないに影響することはありません。 疲れたら再発しやすくなる、などということはありませんので、体力面で問題がない範囲で発症前と同じ日常生活に戻って構いません。 ただし、入院によって筋力が落ちていることが多いので、通学を再開する最初の時期は短い時間のみからはじめ、徐々に時間を増やすことをお勧めします。 再発はどのような症状でわかることが多いですか? 治療が終わってすぐのころは1-2カ月に1回の血液検査を行いますので、症状が出る前に検査値の異常で見つかることが多いです。 症状が出るとしたら、疲れやすくなる、血が止まりにくくなる、感染症がなかなか治らなくなる、といったものがみられます。 また、白血病細胞は髄液の中に再発することもあります(「3. 白血病にはどのような検査・治療を行いますか?」の最後の部分を参照してください)。 その場合は頭が痛い、吐き気がする、ものが二重に見える、などの症状が現れます。 また、白血病がかたまりを作ってしこりをつくることがありますし、男の子の場合には睾丸 精巣 が腫れて大きくなることがあります。 ただし、「14. もっと早期に診断したほうがよかったのですか?」にもある通り、白血病の治療において早期に診断することは治療の最終的な結果には影響しません。 これは再発時も同じです。 ですので、上記のような症状がみられた時も、緊急で受診していただく必要はありません。 白血病に関係する症状であれば改善することはありませんので、しばらくは白血病と関係ないものとして対処をし、もし症状がよくなったら再発ではないと判断してください。 改善が見られない場合や、症状がひどい場合は、担当医にご相談ください。 治療に関して公費負担の制度などはありますか? 白血病は「小児慢性特定疾病」の対象疾患です。 市区町村の窓口などに申請をしていただければ、申請以降に白血病に関連した治療の費用は公費の補助が受けられます。 ただし、白血病と関係ない病気(虫歯など)・けがなどは通常の保険診療で請求が発生します。 また、小さなお子さんの場合のミルク代など、もともと保険診療に含まれないものについては負担額が発生します。

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急性リンパ性白血病(ALL) Q&A│小児がん

急性 リンパ 性 白血病

急性骨髄性白血病(AML)56%• 急性リンパ性白血病(ALL)19%• 慢性骨髄性白血病(CML)22%• 慢性リンパ性白血病(CLL)3% となっています。 慢性白血病は、急性転化を起こし急性白血病のような症状になることがありますが、急性白血病が慢性化することはありません。 いずれにせよ、基本的な治療は化学療法となります。 急性白血病の症状 急性白血病の症状として、 貧血、全身倦怠感、軽労作時の息切れ・動機、長引く風邪症状、易出血傾向などがあります。 慢性白血病の症状 慢性白血病の初期に自覚症状はなく、健康診断時などに発見されることも多いです。 肝臓や脾臓の、腫脹や全身倦怠感を伴うこともあります。 病状が進行すると急性白血病と同じような貧血、全身倦怠感、軽労作時の息切れ・動機、長引く風邪症状、易出血傾向といった症状が現れます。 白血病の治療法 白血病においては、化学療法が基本で抗がん剤の投与によって増殖した白血病細胞を死滅させ、正常な血液細胞を増やすことが第一の治療法です。 寛解導入療法• 治療目標:白血病の寛解を目指す。 白血病の治療では、まず寛解(骨髄や末梢血の中の白血病細胞がほとんどなくなった状態。 初発期にあった症状もほとんど消失する)を目指します。 これを寛解導入療法といいます。 通常、抗がん剤の投与は 7日間から10日間で、抗がん剤は多剤併用となります。 抗がん剤を投与すると、白血病細胞だけではなく正常な血液細胞も減少し、副作用が投与後から出始めます。 抗がん剤投与後は、 赤血球や血小板が極端に減少することがあり、輸血が必要となります。 白血球は自然に増えてくるのを待ちますが、それには 約4週間ほどかかります。 白血球が回復したころに骨髄穿刺を行い、寛解状態になっているか確認します。 治療目標:寛解状態を長期間維持する。 寛解導入療法と地固め療法で、白血病細胞がほぼ死滅した状態になったら、出来る限り寛解状態を維持できるよう定期的に通院し、弱めの抗がん剤を投与します。 造血幹細胞移植(予後不良の場合) 予後不良群となる患者は、 生存率を上げるための治療に造血幹細胞移植が選択されます。 造血幹細胞移植では、白血病細胞の染色体分析で予後を予測することができます。 造血幹細胞移植は、抗がん剤投与や放射線治療などの移植前処置を受けた後に無菌室で行います。 移植後には、免疫抑制剤の投与が行われ移植が成功すれば、 2~3週間で血液細胞が増え定着します。 ただし、造血幹細胞移植でも抗がん剤を用いた時と同様の副作用が生じます。 また、造血幹細胞移植ではGVHD(移植片対宿主病)が起こることがあり皮膚や肝臓、腸にその症状が出ます。 ポイント! 白血病の検査には、血液検査・骨髄穿刺(染色体検査、遺伝子検査)・腹部CT・超音波検査などがあります。 白血病の看護計画 白血病の治療では、化学療法が基本であることから看護は、易感染や易出血、悪心・嘔吐や食欲不振、脱毛などその副作用に重点が置かれます。 全身にあらわれる症状によって、日常生活を送ることが困難となる場合もあるため、ケアが必要です。 また、死をイメージしやすい疾患であり、 精神面のフォローも看護の上では大切です。 同じ薬剤を使っても、 患者によって副作用の現れ方が異なることもあるので、患者それぞれの状態にあわせた看護計画が必要です。 患者を取り巻く社会的背景によって、更なる計画が必要になる場合があります。 白血病患者への看護で注意するポイント 看護計画を立てるにあたっては、患者が治療上どの段階にいるのかを常に把握しておくことが求められます。 化学療法後には、 副作用の出現があることも把握しておくことが必要です。 以下に、看護をする上で必要なスキルについて詳しく説明していきます。 易感染状態時には「矛盾」が生じる 易感染状態時には、行動だけではなく食事も制限されます。 抗がん剤の副作用で、悪心や嘔吐が続くときには食べたいものを食べられるだけ、と指導しながらも易感染状態時には生ものや家庭で調理したもの、サンドイッチやコンビニ弁当など多くのものが禁止されます。 こういった矛盾をきちんと患者にわかりやすく説明できる手腕が必要です。 できるだけ早い段階で患者と信頼関係を築く必要がある 患者は、治療をする上で日常では見慣れないクリーンルームや無菌室へ入室することから、生活の不安や面会制限などの社会との隔離に伴う不安を抱えていることが多いです。 そのため、 入院初めの患者は緊張によって本音を言えないこともあります。 その後の治療効果にも影響 するため、できるだけ早い段階で信頼関係を築くようにしましょう。 家族の協力が必要不可欠 白血病患者が、入院・治療を行う上で 家族の協力は不可欠となるため、あわせて指導することが大切です。 血液内科では、辛い抗がん剤治療を受けても思うように効果があらわれず、終末期を迎える患者も少なくありません。 そのような場合には、さらに家族へのケアを強化する必要があります。 まとめ 参考文献は以下の通りです。 関連記事• 一般的に不整脈とは、心臓の興奮 電気刺激 が正常に伝わらず、脈の打ち方に異常が現れるものをいいま... このページでは、現役看護師の方に向けて、バセドウ病患者の症状や治療方法、看護計画、注意点と求めら... 気胸とは、肺から空気が漏れて、肺が小さくなった状況のことです。 原因によって気胸は、自然気胸・外... 肝硬変はさまざまな疾患や原因が治ることないまま経過した結果おこるものです。 肝臓は私たちの身体に... COPDとは慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary dis... 関節リウマチの症状には、特徴的な関節病変を示す原因不明の全身性炎症疾患があり、膠原病の中で最も多...

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