妹 せい かつ モノクローム。 映画『サイコ』異常心理スリラーの元祖的名作です!!

極上生徒会

妹 せい かつ モノクローム

パシッ、と何かを掴む音。 そして、止まりかけた足を無理やり引っ張った逞しい腕。 ぼんやりとし始めていた視界の中で、焦った顔をした親友が自分の手を引いていた。 「しっかりしろよ、せいちゃん!ここで止まったら死ぬぞ……!」 転ばないように、それでいて影に追いつかれぬように、律夜は星來の腕を引く。 朧気になっていた意識が、少しだけ晴れていった。 息も絶え絶えになりながら、「……うん」と答えて星來は走った。 「あぁ、ちくしょう!どうにかならねぇかな!? もうそろそろ限界だぞ!? 」 「ごめ、律夜……俺が遅いから……」 「せいちゃんは悪くない!気にすんな!何も出来ないオレが悪い!」 短い呼吸の合間に小さく謝れば、律夜が真っ直ぐな声音でそう言った。 親友は、お人好しすぎる。 何も出来ない自分が情けない。 これ以上、足は引っ張りたくないのに。 腕を引かれながら、星來は軟弱な自身に嫌気が差していた。 「……見えた」 先頭を走る夕咲が、不意にぽつりと零した。 その声は忙しない足音に紛れて妙に大きく響く。 声は薄闇の中を反響し、影の方へと転がっていく。 星來や律夜には見えない『色』が夕咲には見える。 視線の先に微かに希望の色を捉えた夕咲は、焦った声で訴えた。 「よし!出口かもしれないな!? 激しく揺れる茶色の髪や、靡くスカートに彼女の必死さが表れている。 ローファーの甲高い靴音が、星來の意識を繋いだ。 「せいちゃん、あと少しだから頑張れよ!」 「分かってる……!」 力強く握られた手に応えるように、星來は返事をする。 背後に迫る影は、未だ速度を落とさない。 纏わりつくような気味の悪い気配を放ち、今でも自分たちを捕らえようとしている。 その距離がそれ以上縮まらないのは、手を引いてくれる律夜のお蔭だろう。 「津雲くん!ここから外に出られそうよ!」 「さすが夕咲!今行く!」 手を握りなおし、律夜と星來は駆け出した。 不気味な声は聞こえなくなったが、代わりに星來の視界に異変が起きていた。 色が消えている。 あらゆる色彩が消えた世界だ。 ザザッとノイズの音が鳴り、壊れたテレビで再生されたような映像が流れる。 不思議な現象に目を細めれば、自分の手を引いて前を走る律夜が、誰かの姿と重なった。 その姿に見覚えはない。 陽炎のように揺らいでいてよく見えないが、中学生くらいの男に見えた。 学生服を着ていて、顔は見えない。 (……誰だろう?) 無性にその姿に切なさに似た感情を覚えた。 知らないはずのその人が遠ざかっていく。 手を引いてくれているのに、その手が離されて、どこか遠くへ。 自分を置いて行ってしまうような気がする。 もう二度と、会えなくなるような予感がする。 何故かそういった不安が芽生え、ひどく胸を締め付けた。 (……行かないで) そう思った瞬間に、視界は再び色を取り戻す。 その瞬間に、トンネルの横に開いた光の穴が顔を覗かせた。 「よし!着いた!」 律夜が期待に満ちた声を上げる。 汗の粒を落とし、夕咲の後を追ってその光の中へと迷いなく飛び込んでいく。 手を引かれたままの星來も、律夜に続いて眩い光の中へと吸い込まれていった。 「えっ……?」 光の中で、誰かが呟いた。 見知らぬ少年が、脳裏でそう告げて手を振ったような気がした。 ドサリ、と草むらに倒れこむ。 チクリと肌に草が刺さる感覚。 転がり落ちた夕焼けは、倒れこんだ三人に温かな茜色を落としていく。 律夜が慌てて起き上がり、周囲を見回した。 どうやら、トンネルの出口に辿り着いたようで、背後で何の変哲もないトンネルがこちらを見つめていた。 トンネルの向こう側の様子も見えるし、空もいつもの夕暮れ時のものに戻っている。 帰宅途中の子供の声も聞こえてきて、元の世界に戻ってきたことを実感した。 「はぁ……っ、元に、戻った……?」 「……えぇ。 嫌な気配が消えたわ」 息を整えながら、三人はゆっくりと立ち上がる。 急に重苦しい空気が消え、汗がどっと噴き出した。 頬を撫でるそよ風が、妙に心地良かった。 星來は、立ち尽くしたまま先程の声について思考を巡らせていた。 最後に聞こえたあの声は、一体何だったのだろう。 聞いたことがない声であるのに、その声は星來の心に懐かしさを植え付けていった。 途中に聞こえたおぞましい声といい、一瞬見えた誰かの姿といい、自分の身に一体何が起こっていたのだろう。 あの時、自分が自分ではなくなったような気がして、星來は今更ながらひどく混乱していた。 妙に体がふわふわとしていて、意識だけが体の外に放り出されてしまったみたいだ。 ……なんだか、すごく疲れたな そう自覚した瞬間に、星來の体からふと力が抜ける。 立て直そうとしても、膝が笑っていて自身の体重を支えることは到底できそうもなかった。 「せいちゃん……!」 よろめいた星來の体を、律夜が慌てて受け止める。 律夜に体重を預けながら、星來は顔を歪めた。 鈍い頭痛と、変に乱れた呼吸。 それが脳裏に何かの記憶を再生させた。 テレビに映る砂嵐の画面のようで、それが何を示唆しているのかは分からない。 ザーザーと音を立てる灰色の画面が、瞼の裏でぼんやりと光を放っている。 砂嵐の向こうには、うっすらと人が見えるような気がした。 ……誰なんだろう。 やっぱり、知らない人だ 不鮮明な人影に、思わず手を伸ばしそうになった。 知らない人物にこれほど惹かれるだなんて、余程大切な人なのだろうか。 記憶にはないが、どこかで会っている人なのかもしれない。 星來がぐるぐると悩んでいれば、「……大丈夫かせいちゃん?気分悪い?」と律夜が心配そうな面持ちで星來に声をかける。 「……ちょっと、疲れただけ」と息を吐き出しながら小さく答えた。 「少し休憩しましょう。 状況を整理する必要もあるわ」 夕咲の提案に律夜は頷き、星來を支えながらトンネルから離れた。 「神」への信仰や主義思想により異能を行使できる、現実と似ているようで似ていない世界。 極東の島国・湧陽皇国 ゆうようこうこく は世界屈指の経済大国ながらも、自縛の法による近隣国家の圧力など、様々な問題に苛まれていた。 かつては「神の使い」として崇められていた「御貴使 みたかのつかい 」という皇国特有の異能行使者達もまた、今となっては冷遇され、ますます皇国の苦境は打開しづらくなってしまった。 そんな中、御貴使の名門で生まれ育った少年・数橋艶 かぞえばしひかり は、再び皇国に維新をもたらすべく、政府公認の御貴使の教育部隊「瑞光」を率いて、皇国の平和と財産を脅かす様々な勢力と対峙するのであった。 堅苦しい社会派ネタから美少年同士のホモホモしい展開まで、何でもアリのIT+宗教な異能バトルアクションです。 メインヒロインも野郎だから要注意だ! あ、ちなみにタイトルは『ひいずるところのひかり』と読みます。 週1~2くらいを目処に更新していきます。 syosetu. 2017年、日本のとある地方都市で暮らす普通の男子高校生の久我山 修二はあまり話したことのない同級生の高尾 綾に呼ばれて夕方の神社に行くが、謎の男に襲撃されてしまう。 そして『異能』という能力を使用した戦闘に巻き込まれていくことになる。 これはその始まりの物語である。 まずは20話前後で第一部を閉めるつもりです。 更新はできれば週1くらいでもできれば、と思います。 大体1話2000文字程度の短めの構成にしております。 処女作ですのでお恥ずかしいですが、お付き合いのほどお願いします。 ありきたりですがタイトルで内容がわかるようにしたかったのです。

次の

この宇宙を統括する、総合統合体によって作られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース。 それが私。

妹 せい かつ モノクローム

「シブカル祭。 」は、渋谷PARCOを舞台に2011年に始まり、アート、ファッション、音楽、パフォーマンスなど、あらゆるジャンルから、過去8年でのべ1,000組以上のクリエイターが参加してきたカルチャーイベントです。 2019年秋、新生渋谷PARCOのオープンを前に、「シブカル祭。 」も渋谷に帰ってきます。 舞台は渋谷の街。 ここで始まりここで大きくなった「シブカル祭。 」が、街に広がり街と一緒になって、「渋谷」それ自体をテーマにした表現を披露します。 渋谷のカフェやギャラリーに置かれたZINEに、街角の大きなビジョンに、いたるところに散らばった若手クリエイターたちの作品。 渋谷の街をぶらっと歩きながら、今もっとも旬で、クレイジーでユニークな作品を探してみてください。 彼らの目にいま渋谷はどう映っているのか。 変わりつつある渋谷を眺めつつ、帰ってきた「シブカル祭。 」をぜひ一緒にお楽しみください。 ただいま!シブヤ! シブカル祭。 」実行委員会 協力 渋谷公園通商店街振興組合・一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント・渋谷のラジオ ・シブヤテレビジョン・タワーレコード渋谷店・渋谷原宿ファッションフェスティバル• ファッション、ストリートカルチャー、再開発、多様性……。 ひと言では言い表せない「渋谷」のイメージや街への想いがつまった10組10色のZINEをご覧ください。 PLAY GIRL 1953年にアメリカのシカゴで創刊された成人男性向け雑誌『PLAY BOY』は、マリリン・モンロー、バニーガール姿のケイト・モスなど数々の大物スターが表紙を飾ったこともある言わずとも知れた有名なマガジン。 今回、『PLAY BOY』をオマージュしながらも女性から見た「美」を表現したく『PLAY GIRL』を制作しました。 ヌード雑誌として時代遅れだとの多くの反感を買ってきた雑誌ですが、ポップカルチャーのアイコンにもなってきました。 いま、性や美について問われる時代だからこそ、特に日本だからこそ、このような刺激のある作品を残したい。 女性目線でも楽しめる刺激、ファッション、多様性をこれからもっとオープンにしていってもいい時代だというメッセージを込めた作品です。 (久野 美玲・ギーセン珠理) apartment 001 ーー Mayuko Sato ファッションマガジン『apartment アパートメント 』では、一定期間にわたり記録された一人の人物のファッションスタイルと日常のスナップを、インタビューと共にお届けします。 ファッション誌で必ず見かける、モデルが衣装を着用してカメラの前でポーズをとる企画は「ファッションストーリー」と呼ばれています。 『apartment』がお届けするものもほぼ同じです。 ただ、そのストーリーが社会を生きる個人の生活そのものであるということだけが前者との違いです。 服を選んで着る。 そして生活を送る。 その日常をセルフポートレートと風景のスナップで記録しました。 創刊号となる今回は写真家の佐藤麻優子が参加しました。 これまでに『まだ若い身体です 2016 』や『生きる女 2018 』など、セルフポートレートや女性性をテーマとした作品を発表している彼女。 活動拠点である渋谷を中心に、写真家として、そして社会を生きる一人の人としての生活が写し出されています。 『apartment』を手に取ってくれた方には、ぜひ誌面に写る人のストーリーを想像しながら読んでもらえたらと思います。 そして、『apartment』が人と服と生活の関係性、ファッションについて考えるきっかけになれたら本望です。 (杉田 聖司)• ウイングフローラル ・about/スナップ写真、コラージュを利用した視覚的ジャーナル。 ・memo/渋谷の坂、風が強いところ、風水について、109のプリクラの猫、閑静な高級住宅地とのギャップ、残っているグラフィティと消されていくグラフィティ、都市開発エリア、ハイブリッド感、宮下公園、mtg場(お茶をする場所)、スクランブル交差点で記録する人たち、スーパーゼビオは地元の茨城県にもある。 そのため、渋谷をテーマにZINEを作って欲しいという話を頂いた時、等身大の渋谷を表現したいと強く感じました。 毎日の通学時、表情が変わるほど街のあちこちで絶えず工事が行われ、未完成であり続ける渋谷は、その街の姿を体現するかのような大人になりきれない多くのyouth達の溜まり場になっています。 このZINEでは"youths always struggle with something"として青年と成人の間特有の精神的葛藤をテーマに撮影を行いました。 まさに全てにおいて"Downloading... "な街と人の姿、未完成の美しさに目を向けて頂ければ幸いです。 日々渋谷に集うわたしたちから滲み出た様々な記号のスタディをまとめた。 渋谷に集うわたしたちから滲み出た様々な記号のスタディから、新たな想像への可能性を湛えているのかを、作品を通じて探ります。 渋谷について語られることの多くに、どこかポジティブすぎるようにも感じられる。 (Sabaay Brothers)• ZINE• MOVIE• MOVIE• ZINE• ZINE• MOVIE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• MOVIE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• MOVIE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• MOVIE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• MOVIE• ZINE• ZINE• MOVIE• ZINE• ZINE• ZINE• ZINE• MOVIE• MOVIE• ZINE• ZINE NEWS.

次の

極上生徒会

妹 せい かつ モノクローム

パシッ、と何かを掴む音。 そして、止まりかけた足を無理やり引っ張った逞しい腕。 ぼんやりとし始めていた視界の中で、焦った顔をした親友が自分の手を引いていた。 「しっかりしろよ、せいちゃん!ここで止まったら死ぬぞ……!」 転ばないように、それでいて影に追いつかれぬように、律夜は星來の腕を引く。 朧気になっていた意識が、少しだけ晴れていった。 息も絶え絶えになりながら、「……うん」と答えて星來は走った。 「あぁ、ちくしょう!どうにかならねぇかな!? もうそろそろ限界だぞ!? 」 「ごめ、律夜……俺が遅いから……」 「せいちゃんは悪くない!気にすんな!何も出来ないオレが悪い!」 短い呼吸の合間に小さく謝れば、律夜が真っ直ぐな声音でそう言った。 親友は、お人好しすぎる。 何も出来ない自分が情けない。 これ以上、足は引っ張りたくないのに。 腕を引かれながら、星來は軟弱な自身に嫌気が差していた。 「……見えた」 先頭を走る夕咲が、不意にぽつりと零した。 その声は忙しない足音に紛れて妙に大きく響く。 声は薄闇の中を反響し、影の方へと転がっていく。 星來や律夜には見えない『色』が夕咲には見える。 視線の先に微かに希望の色を捉えた夕咲は、焦った声で訴えた。 「よし!出口かもしれないな!? 激しく揺れる茶色の髪や、靡くスカートに彼女の必死さが表れている。 ローファーの甲高い靴音が、星來の意識を繋いだ。 「せいちゃん、あと少しだから頑張れよ!」 「分かってる……!」 力強く握られた手に応えるように、星來は返事をする。 背後に迫る影は、未だ速度を落とさない。 纏わりつくような気味の悪い気配を放ち、今でも自分たちを捕らえようとしている。 その距離がそれ以上縮まらないのは、手を引いてくれる律夜のお蔭だろう。 「津雲くん!ここから外に出られそうよ!」 「さすが夕咲!今行く!」 手を握りなおし、律夜と星來は駆け出した。 不気味な声は聞こえなくなったが、代わりに星來の視界に異変が起きていた。 色が消えている。 あらゆる色彩が消えた世界だ。 ザザッとノイズの音が鳴り、壊れたテレビで再生されたような映像が流れる。 不思議な現象に目を細めれば、自分の手を引いて前を走る律夜が、誰かの姿と重なった。 その姿に見覚えはない。 陽炎のように揺らいでいてよく見えないが、中学生くらいの男に見えた。 学生服を着ていて、顔は見えない。 (……誰だろう?) 無性にその姿に切なさに似た感情を覚えた。 知らないはずのその人が遠ざかっていく。 手を引いてくれているのに、その手が離されて、どこか遠くへ。 自分を置いて行ってしまうような気がする。 もう二度と、会えなくなるような予感がする。 何故かそういった不安が芽生え、ひどく胸を締め付けた。 (……行かないで) そう思った瞬間に、視界は再び色を取り戻す。 その瞬間に、トンネルの横に開いた光の穴が顔を覗かせた。 「よし!着いた!」 律夜が期待に満ちた声を上げる。 汗の粒を落とし、夕咲の後を追ってその光の中へと迷いなく飛び込んでいく。 手を引かれたままの星來も、律夜に続いて眩い光の中へと吸い込まれていった。 「えっ……?」 光の中で、誰かが呟いた。 見知らぬ少年が、脳裏でそう告げて手を振ったような気がした。 ドサリ、と草むらに倒れこむ。 チクリと肌に草が刺さる感覚。 転がり落ちた夕焼けは、倒れこんだ三人に温かな茜色を落としていく。 律夜が慌てて起き上がり、周囲を見回した。 どうやら、トンネルの出口に辿り着いたようで、背後で何の変哲もないトンネルがこちらを見つめていた。 トンネルの向こう側の様子も見えるし、空もいつもの夕暮れ時のものに戻っている。 帰宅途中の子供の声も聞こえてきて、元の世界に戻ってきたことを実感した。 「はぁ……っ、元に、戻った……?」 「……えぇ。 嫌な気配が消えたわ」 息を整えながら、三人はゆっくりと立ち上がる。 急に重苦しい空気が消え、汗がどっと噴き出した。 頬を撫でるそよ風が、妙に心地良かった。 星來は、立ち尽くしたまま先程の声について思考を巡らせていた。 最後に聞こえたあの声は、一体何だったのだろう。 聞いたことがない声であるのに、その声は星來の心に懐かしさを植え付けていった。 途中に聞こえたおぞましい声といい、一瞬見えた誰かの姿といい、自分の身に一体何が起こっていたのだろう。 あの時、自分が自分ではなくなったような気がして、星來は今更ながらひどく混乱していた。 妙に体がふわふわとしていて、意識だけが体の外に放り出されてしまったみたいだ。 ……なんだか、すごく疲れたな そう自覚した瞬間に、星來の体からふと力が抜ける。 立て直そうとしても、膝が笑っていて自身の体重を支えることは到底できそうもなかった。 「せいちゃん……!」 よろめいた星來の体を、律夜が慌てて受け止める。 律夜に体重を預けながら、星來は顔を歪めた。 鈍い頭痛と、変に乱れた呼吸。 それが脳裏に何かの記憶を再生させた。 テレビに映る砂嵐の画面のようで、それが何を示唆しているのかは分からない。 ザーザーと音を立てる灰色の画面が、瞼の裏でぼんやりと光を放っている。 砂嵐の向こうには、うっすらと人が見えるような気がした。 ……誰なんだろう。 やっぱり、知らない人だ 不鮮明な人影に、思わず手を伸ばしそうになった。 知らない人物にこれほど惹かれるだなんて、余程大切な人なのだろうか。 記憶にはないが、どこかで会っている人なのかもしれない。 星來がぐるぐると悩んでいれば、「……大丈夫かせいちゃん?気分悪い?」と律夜が心配そうな面持ちで星來に声をかける。 「……ちょっと、疲れただけ」と息を吐き出しながら小さく答えた。 「少し休憩しましょう。 状況を整理する必要もあるわ」 夕咲の提案に律夜は頷き、星來を支えながらトンネルから離れた。 「神」への信仰や主義思想により異能を行使できる、現実と似ているようで似ていない世界。 極東の島国・湧陽皇国 ゆうようこうこく は世界屈指の経済大国ながらも、自縛の法による近隣国家の圧力など、様々な問題に苛まれていた。 かつては「神の使い」として崇められていた「御貴使 みたかのつかい 」という皇国特有の異能行使者達もまた、今となっては冷遇され、ますます皇国の苦境は打開しづらくなってしまった。 そんな中、御貴使の名門で生まれ育った少年・数橋艶 かぞえばしひかり は、再び皇国に維新をもたらすべく、政府公認の御貴使の教育部隊「瑞光」を率いて、皇国の平和と財産を脅かす様々な勢力と対峙するのであった。 堅苦しい社会派ネタから美少年同士のホモホモしい展開まで、何でもアリのIT+宗教な異能バトルアクションです。 メインヒロインも野郎だから要注意だ! あ、ちなみにタイトルは『ひいずるところのひかり』と読みます。 週1~2くらいを目処に更新していきます。 syosetu. 2017年、日本のとある地方都市で暮らす普通の男子高校生の久我山 修二はあまり話したことのない同級生の高尾 綾に呼ばれて夕方の神社に行くが、謎の男に襲撃されてしまう。 そして『異能』という能力を使用した戦闘に巻き込まれていくことになる。 これはその始まりの物語である。 まずは20話前後で第一部を閉めるつもりです。 更新はできれば週1くらいでもできれば、と思います。 大体1話2000文字程度の短めの構成にしております。 処女作ですのでお恥ずかしいですが、お付き合いのほどお願いします。 ありきたりですがタイトルで内容がわかるようにしたかったのです。

次の