台風 温暖 化。 台風19号の猛威 温暖化と巨大台風

地球温暖化による地球への影響は?このまま進むと世界はどうなるのか

台風 温暖 化

世界ではここ数年、強い熱帯低気圧による被害が増加しています。 一方、日本国内でも、強い台風が上陸することはほとんどなかった北海道にまで、台風が勢力を維持して移動するなど、自然災害のリスクが年々増大しています。 これらはいずれも地球温暖化との関連が指摘されていますが、果たしてどうなのか。 最新の温暖化研究の動向、そして、海外の被災地の様子や日本国内での事例について紹介し、今後このような異常気象にいかに対応し、どんな対策を講じることができるか考えます。 台風による災害は昔から 台風のもたらす暴風雨は古くからわが国に災害をもたらしてきた。 日本の歴史とともに台風は在り、これからも私たちは台風と付き合っていかねばならない。 北西太平洋(主にフィリピン東方海域)で発生する台風は周辺の大気によって流される。 夏には日本列島は太平洋高気圧に覆われることが多く、台風は高気圧の縁を西進するが、秋になると太平洋高気圧は弱まり東へ後退するため高気圧の縁を時計回りに流され、日本にやって来る。 そのため日本へ接近・上陸する台風の多いのは8月と9月である。 その中でも過去に日本に大きな災害をもたらした台風は9月に多い。 地球温暖化により台風の頻度・強度・経路や台風に伴う暴風雨はどう変わるのだろうか。 観測データは? 歴史的に台風の数や強度がどう変化してきたかの観測データは少なく、気象庁の統計資料は1951年以降である。 それによると1990年代後半以降はそれ以前に比べて発生数が少ない年が多いものの、数十年規模での変動が大きく、長期変化傾向は見られない。 台風の接近数についても同様だ。 一方で、北西太平洋で台風が最強になる場所が高緯度側にずれてきているとする研究がある。 これが人為的な温暖化によるものか、自然変動の一環なのかは不明だ。 より過去にさかのぼると、室戸台風(1934年)、枕崎台風(1945年)、伊勢湾台風(1959年)、第二室戸台風(1961年)といった中心気圧が低い台風が上陸し、多数の死者と被害をもたらした。 1961年に災害対策基本法ができ、国と地方自治体が一体となった防災体制が整備され、気象災害による死者数は激減した。 一方で、この半世紀以上、猛烈な台風が日本には上陸していないことに注意したい。 均質な観測データがそろう直近の40年における台風発生数や台風の強度の変化は検出できない。 数十年規模の自然変動があるため、観測データの得られる期間が短すぎるということだ。 台風、ハリケーン、サイクロンなど名称は海域により異なるが、熱帯・亜熱帯で発生し水蒸気をエネルギー源とする低気圧が熱帯低気圧であり、北西太平洋にあるものを台風という。 本稿では便宜上、すべて「台風」と記述する。 そのような気候変動下で台風はどうなるのか。 IPCC(2013)は次のように評価している。 21世紀中頃までに、台風の強度と頻度がどう変化するかについて、海域規模での予測は、すべての海域について確信度が低い。 この確信度の低さは、近未来の台風活動を調べた研究の数が少ないこと、台風活動について発表されている予測間に差異があること、自然変動の役割が大きいことを反映している。 21世紀末には、地球全体での台風の発生頻度は減少するか、または基本的に変わらない可能性が高く、同時に地球全体で平均した台風最大風速および降雨量は増加する可能性が高い。 将来の気候変動が台風に及ぼす影響は地域によって異なる可能性が高いが、地域別の予測の確信度は低い。 一部の海域では、最も強い台風の発生頻度がどちらかといえば増加するだろう。 東・東南アジアを含む多くの地域では、上陸する台風の中心付近で降水がより極端になると予測されている(中程度の確信度)。 またIPCCの1. さらに、沿岸域では海面水位上昇に伴い台風による豪雨の増加は洪水増加につながるだろうとも予測している。 5シナリオの21世紀末に相当する気候状態)を対象とした、わが国の最新の気候モデルによる予測結果を見てみよう。 使用した気候モデルは気象庁気象研究所の大気大循環モデルで、地球全体を約60㎞四方の格子で覆っており、現在気候100例分および将来気候90例分のシミュレーションを行った。 これは従来の気候モデルより空間解像度が高く、かつ多数例のシミュレーションであり、発生頻度の小さい極端現象の変化を議論することが可能となった。 その理由については、温暖化で熱帯の大気は海面付近より上空の温まり方が大きく、上下方向に大気が安定になるため対流が立ちにくくなるからと説明されている。 また一つあたりの台風に伴う最大地上風速と降水の強さが世界全体で増加することが示された。 温暖化気候下ではエネルギー源の水蒸気が大気中に多く存在することと海洋表層水温が高いため、台風が発達する要因があるためであり、水蒸気が多いことは降水量を増加させることにも効いている。 さらに、数値実験で得られたすべての台風の経路から、地球上の各地点での台風の存在頻度を求め、その将来変化を計算した結果が 図1である。 すべての台風に着目すると、世界全体で減少するとともに、ハワイを中心とした東部~中部北太平洋域では増加している。 メキシコ沿岸で発生した台風は貿易風により西進するが、通常その途中で勢力を弱め、ハワイまで達する台風は少ない。 ハワイ周辺では、温暖化すると上空のジェット気流の位置が北にずれ、大気下層と上層の風の強度や風向の差が小さくなり、台風を衰退させる要因が減るためと考えられる。 温暖化で海洋表層水温が高くなるため勢力を長く維持し続けると考えられる。 他の研究でも、温暖化により熱帯域が広がり亜熱帯が極方向にシフトすることで、台風が最盛期を迎える緯度が全体に高緯度側にずれると予測している。 また、台風の中心気圧が低く最大風速が強くなることで、高潮によるハザードが増える可能性が高く、大阪湾や東京湾では0. 5 m程度の気候変動変化分が予測されている。 これに温暖化による海面水位の上昇分が加わることに留意したい。

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地球温暖化が台風の活動と構造に及ぼす影響 ―強風域拡大の可能性を示唆―<プレスリリース<海洋研究開発機構

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地球温暖化で台風が強くなる可能性はこれまでも指摘されてきたが、台風の構造がいったいどう変わるのか、そのメカニズムは謎だった。 それを明らかにしたのが、全球雲解像モデル「NICAM」とスーパーコンピュータ「京」を使った全球シミュレーションだ。 長期間・高解像度の将来予測シミュレーションで分かったこととは? JAMSTEC(海洋研究開発機構)で研究を進める山田洋平研究員に聞いた。 台風の構造は、地球温暖化でどう変わるのか 地球温暖化と台風の関係については多くの研究が行われています。 先行研究では、地球温暖化が進めば、台風の発生する数は減るけれど強い台風の割合が増える可能性が指摘されています。 しかし、台風の構造がどう変わるかはわかっていませんでした。 シミュレーションでは、まず地球表面を細かい格子に区切り、その格子点一つひとつで温度や風の強さなどが時間とともにどう変化していくのかを、物理法則に基づく方程式系によって構築された気候モデルを用いて計算していきます(図1)。 格子を細かくすればするほど精度が上がりますが、計算量が莫大に増えてしまいます。 莫大な計算を高速に実施するには、高性能なスーパーコンピュータや、そのスーパーコンピュータの性能を最大限に活かす技術開発が必要となります。 図2 従来のモデルで数百年をシミュレーションするには、格子幅が粗く台風を的確に表現できなかった。 かといって格子幅を10㎞以下など細かくすると、長期間地球全体をシミュレーションするのが難しく、範囲が限られてしまいました。 その通りです。 台風は、一つひとつ構造も活動も異なります。 台風が大きいからといって必ずしも強いわけではありません。 そうした台風が温暖化でどう変わるのか傾向を知るには、できるだけ多くのデータを集めて統計的に見ることが必要です。 それには、地球全体を長期間かつ高解像度でシミュレーションしなければなりません。 しかし、それを可能にしてくれると我々の研究チームが注目したのが、 全球雲解像モデル「NICAM(ニッカム)」(Nonhydrostatic Icosahedral Atmospheric Model)(図3)と、 スーパーコンピュータ「京」(写真2)です。 写真1 スーパーコンピュータ「京」(兵庫県神戸市)。 写真提供:理化学研究所 私の上司であり、NICAMの開発にも携わり数多くの実績を持つ小玉知央ユニットリーダーが、「京」を用いて、格子幅14㎞のNICAMで、台風を表現しながらも地球全体を数十年に及ぶシミュレーションに成功しました。 このシミュレーションは、観測データをもとに現在の気候(1979年から2008年まで)と、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル;Intergovernmental Panel on Climate Change)で発表されているCO2濃度の将来変化シナリオ(A1Bシナリオ)とそのシナリオに基づく海面水温の将来予測をもとにした将来の気候(2075年から2104年)、のべ60年分です。 格子幅14㎞のシミュレーションは過去にも実績がありますが、ここまで長い期間は初めてです。 そのシミュレーションの一部を動画にしたものが、こちらです。

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温暖化は豪雨や台風と関係があるのか?気になる可能性と対策

台風 温暖 化

上陸直前まで非常に強い勢力を維持した台風19号は東日本を中心に大きな被害をもたらしたが、地球温暖化が進めば19号を上回る強大な台風が年に複数日本に上陸する危険性が指摘されている。 このままのペースで温暖化が進むと、今世紀末には世界の平均気温が現在より3度ほど上がるとされている。 気象庁気象研究所の予測によると、平均気温が3度以上高くなると「スーパー台風」と呼ばれる最大風速59メートル以上の台風の発生数は地球全体で3割ほど減る。 その一方、海面水温の上昇などにより日本の南海上を猛烈な台風が通る頻度は増加するとみられ、日本列島への影響が懸念される。 日本ではまだスーパー台風の勢力を保って上陸した例はないが、坪木和久名古屋大教授(気象学)のシミュレーションによれば、20世紀末より約2度上昇すると、スーパー台風のまま本土に接近・上陸する台風が1年間に複数発生するようになるという。 氾濫する恐れのある水位を超えた河川数の推移 平均気温が1度上昇すると、大気に含まれる水蒸気量が7%増える。 温暖化が進むと、台風だけでなく前線などによる豪雨でも一度に降る雨の量が以前より増えることになる。 昨年の西日本豪雨も温暖化の影響で降雨量がかさ上げされ、多大な被害をもたらしたとの指摘がある。 国土交通省によると、国と都道府県が管理する河川のうち、氾濫する恐れのある水位を超えた河川数は、2014年は83河川だったが、16年は368河川、18年は10月末時点で475河川と年々増加している。 国交省の検討会は今年、現在より約1度上昇すると洪水の発生頻度が約2倍、3度以上上昇すると約4倍になるとのシミュレーションを公表している。 木本昌秀東京大教授(気象学)は「今後気象災害がより顕著にひどくなるのは間違いない。 堤防などのハード面には限界がある。 最終的に逃げるのは一人一人。 避難勧告が出てから準備しては遅く、普段から心づもりをしたり、近所の人とコミュニケーションを取ったりすることが大事だ」と話す。 【信田真由美、大場あい】.

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