レ ミゼラブル フランス 革命。 映画『レ・ミゼラブル(2019)』暴力と権力が渦巻く現代のフランスが抱える闇に光を当てる

「レ・ミゼラブル」より

レ ミゼラブル フランス 革命

1789年 フランス革命がはじまる 1796年 ジャン・バルジャン、パンを盗んで投獄される 1799年 ナポレオンが政権を握る 1915年 ナポレオンが完全に失脚、王政が復活。 ジャン・バルジャン仮釈放 1823年 ファンテーヌ、工場をクビになる 1830年 七月革命 1832年 六月暴動、 マリウスたちが戦う フランス革命が勃発し、混乱する社会に、パンを盗む 1789年、 フランス革命が始まります。 フランス革命は 贅沢三昧の王族や貴族たちをやっつけて一般市民が幸せになった、というイメージを持たれがちですが、 現実は悲惨なものでした。 王政を廃止したものの、 派閥争いで政治は混乱。 言うことをきかない者を次々にギロチン送りにする ロベスピエールのような人物も現れます。 さらに、革命の影響が自分の国に及ぶことを恐れた 隣国との戦争が続きます。 市民の生活は、革命前より豊かになったとはいえず、 むしろより苦しい生活を送る者も多かったようです。 このような時代にジャン・バルジャンも非常に貧しい生活を強いられており、 ついに 1796年、パンを盗んで投獄されてしまいます。 ナポレオン時代の終わりと共に、バルジャン仮出所 フランス革命のゴタゴタの中、 ナポレオンが登場。 ナポレオンは軍人として外国との戦争で勝利を重ね英雄として人気が高まり、 1799年にクーデターによって政権を握ります。 しかし、ナポレオンは外国との戦いに追われ、 1915年、ワーテルローの戦いに敗れたナポレオンは、セントヘレナ島に流されて完全に失脚。 せっかくフランス革命で王政を廃止したのに、王政が復活しルイ18世が即位してしまいます。 このころのフランスは、長引く外国との戦争のせいで、経済的に困窮していました。 そんな 1915年にジャン・バルジャンは仮釈放されたのです。 このころのフランス社会には、仮釈放された者を温かく迎え入れるような余裕はなく、 困窮したジャン・バルジャンは、助けてくれた司教を裏切り、銀の食器を盗んでしまいます。 資本主義が発達しつつある時代、ファンテーヌの絶望 ミュージカルで次に描かれるのは 1823年。 ファンテーヌは工場で働き、 必死でコゼットの養育費を稼いでいます。 どこかに雇われて給料をもらう、というのは現代を生きる私たちにとって当たり前のように感じますが、 このころ、資本家が労働者を働かせて儲ける「資本主義」が形作られていく時代でした。 現在のように労働者を守る法律は整備されておらず、資本家の力が強く、 安い給料で長時間、劣悪な環境で働かせたり、理不尽な扱いをされることが横行していた時代でもあります。 ファンテーヌは、工場長とのトラブルの末、工場をクビになり、 絶望的な状況に陥ります。 また、1923年のシーン冒頭に、 「仕事が無いと、死んでしまう」と苦しむ人々が登場しますが、 やはり資本主義が発展途上な時代。 働いても奴隷のような扱いをされ、仕事が無ければ生きていけない、 という、一般市民にとって厳しい時代だったのです。 ちなみに、このシャルル10世は、ミュージカル 『1789 ~バスティーユの恋人たち~』に登場する アルトワ伯です。 催眠術まで使っちゃう悪役で描かれているこの人物。 「革命が終わったら戻り、私が王となる」のような歌詞がありますが、のちにシャルル10世として即位することを表現しているのですね。 シャルル10世は、議会の廃止や絶対王政の復活を目指しました。 そのため、人々は不満を抱き、 1930年に 七月革命が起こります。 (ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』という有名な絵画は、七月革命が題材とされます) 七月革命によってシャルル10世を追放し、 ルイ・フィリップが新しい王として即位します。 しかし、エリート層(名望家)が重視され、民衆は軽んじられます。 さらに、長引く不作により、食糧不足となり、経済は悪化していました。 六月暴動、戦うマリウスやアンジョルラスたち そんな中、 1932年、民衆の味方として人気があった ラマルク将軍が病死します。 人々はラマルク将軍の民衆葬儀を行います。 葬儀の列の中には暴徒と化する人々も現れ、警官も発砲。 これをきっかけに、暴徒の一部が狭い路地にバリケードを築き、戦います。 これが、『レ・ミゼラブル』で描かれる 六月暴動という事件です。 フランス革命、七月革命を経て、 民衆が武器を持って戦えば、社会を変えることができるという意識がフランス国民の中に根付いていました。 マリウスや アンジョルラスのような正義感あふれる若者たちが必死で戦ったのでしょうが、 六月暴動は、あっけなく鎮圧されてしまいます。 六月暴動は失敗に終わりますが、 その後の 1848年、 二月革命が起こり、ルイ・フィリップは退位し、共和政が成立します。 さいごに ミュージカル『レ・ミゼラブル』の時代背景・歴史について解説しました! 歴史を知っておくと、ミュージカルをより深くまで楽しむことができると思います。 また、高校で習う世界史を覚えるにも役立つかと思います。 あと、、旦那さんや彼氏など、男性をミュージカルに誘う口実にも使えるかと思います。 オジサンって、歴史好きが多いですからねぇ(私も歴史好きなオジサン)•

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海外ドラマ「レ・ミゼラブル」NHK総合で放送 感想と作品解説

レ ミゼラブル フランス 革命

冒頭から挫折ポイント。 司教(カトリック教会における聖職者の上級管理職)である、ミリエル閣下のプロフィールが語られますが、 いきなり司教の給与明細や家計簿が公開されます。 いや、あの、これ何の関係があるんですか。 実は『レ・ミゼラブル』は小説ではなく、ヴィクトル・ユゴーのマニフェストなのです。 フランスそのもの、理想の政治や教会、そして人間のタイプを描くための小説でした。 フランス革命以前の教会腐敗は醜悪なものがありました。 信仰なんてなんのその、高額な給与と贅沢な生活。 それゆえに革命において教会組織の根絶がはかられたのです。 結局実現はしませんでしたが……。 一切れのパンを盗んだがために19年間投獄されていた、元囚人ジャン・バルジャンはそんな中でユゴーが想像した、 理想的な神のしもべ・ミリエル司教のもとへたどり着くのです。 ここから先は実際に読んでみてください。 著名な「銀食器と燭台」シーンは涙なしには読めません。 『レ・ミゼラブル』は圧倒的リーダビリティで私たちを魅せます。 真の神と信仰によって人は復活し再生することができる……ユーゴーの作品を貫いている信念です。 小都市モントルイユ=シュル=メールに現れた カリスマ指導者、彼の名はマドレーヌ。 見事な手腕によって町に工場を運営し福祉を整えました。 その町にやってきた1人のシングルマザー。 美しい金髪と見事な白い歯を持つうら若き、 ファンティーヌ。 彼女はモンフィルメイユの宿屋の主・テナルディエ夫妻のもとに小さな娘を預け、生活のため故郷へ帰ってきたのでした。 ここで解説を付しておかなければならないのは、 19世紀当時のシングルマザーの風当たりです。 父親がいない子供を産むなんて!不貞は破戒、神や信仰の名のもとに村八分。 数々の嫌がらせで職を失った彼女は娼婦にまで身を落とします。 ファンティーヌがどん底までいっているのと同時期、マドレーヌ市長……すなわちジャン・バルジャンのもとに ジャベール警部が迫るのです。 ある事件をきっかけに、マドレーヌ……ジャン・バルジャンはファンティーヌを自らのもとへ保護することに。 そしてジャベール警部はついに懲役人ジャン・バルジャンの再犯を告発します。 しかし 心掛りはファンティーヌの娘コゼット……さてジャン・バルジャンはどのような選択をするのでしょうか? ジャン・バルジャン、どうなるの?ジャベール警部怖い、逃げて!とハラハラして第2部のページを開きます。 すると唐突に開始されるのです。 ワーテルローの戦いについての、ユゴーの私論が。 前半、約5分の1に渡って。 「ワーテルローの戦い」は言わずもがな、1815年、流刑先のエルバ島から脱出したナポレオンがイギリスやプロイセンをはじめとする連合軍と戦い敗北した戦闘です。 この戦闘の結果として皇帝ナポレオンははるばるセントヘレナ島へ去ることとなります。 ワーテルローの戦い、1815年といえば、ジャン・バルジャンの物語がはじまったのと同時期。 ジャン・バルジャンの釈放のころにこの戦いがあり、王政復古からルイ・フィリップ王の治世に移っていくのですが……そういう歴史的背景をおさえないと、この小説は味わい尽くせないとはいえ。 うんざりしながら読み進めると、意外すぎる人物が意外きわまりない登場をし、後半への重要な伏線を張るのです。 これだから『レ・ミゼラブル』はおもしろい! さてここまで、予言しておきますが、ジャン・バルジャンは出てきません!なんとこの大長編では、主人公の彼の名前すら出てこない時期すらあります。 物語の先を急ぎたい方はレッツ読み飛ばし。 このような長編作品の攻略において読み飛ばしは罪ではありません。 だんだん 「あーまたユゴーのおっさん、はじめたよ」と慣れてきますが……。 ファンティーヌの遺児、少女コゼット。 宿屋テナルディエ夫婦のもとで虐待そして過重労働を強いられている、わずか8歳の少女です。 ジャン・バルジャンは艱難辛苦のすえに哀れなファンティーヌの遺言を遂行します。 しいたげられたコゼットのもとにあらわれたジャン・バルジャンはまるで神さまでした。 ユゴーはこの物語を通して、フランスそのものやパリの民衆をくまなく描こうと試みているのです。 手に汗握る逃亡劇の結果、2人の逃げこんだパリのル・プティ・ピクピュス修道院。 教会関係施設の敷地は聖域で内部に犯罪者が1歩でも入ったら、警察でも政府でも手が出ません。 ちょうど日本でも駆け込み寺も同じようなシステムですね。 ある意外な人物に再会したジャン・バルジャン。 ところでユゴーはこの章で刑務所と修道院を比較しています。 第1部で信仰や神の必要性を力説した一方で、ユゴーは修道院制度を批判しているのです。 このあたりはヨーロッパの業の深さといいますか……。 この「牢獄のような場所」、シャバとは完全隔離の修道院にて、ジャン・バルジャンとコゼットは、はたして。

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『レ・ミゼラブル』あらすじと曲、作品解説(ミュージカル)

レ ミゼラブル フランス 革命

ミュージカル レ・ミゼラブルとは? 『レ・ミゼラブル』は、フランスの作家、ヴィクトル・ユゴーにによって書かれた小説と、それを原作とするミュージカル作品や映画のことを指します。 とくにミュージカルはあらゆるミュージカルの中でも非常に人気が高く有名な作品であり、ミュージカル映画化もされています。 そのタイトルの通り、主人公ジャン・バルジャンの悲劇な生涯を軸に、当時のフランス民衆の悲哀や苦悩を描いた名作となっています。 レ・ミゼラブルは長編の物語となっていますので、物語の冒頭部分のみをご紹介します。 続きはぜひ劇場でご覧になってみて下さいね。 レ・ミゼラブルのあらすじ 舞台はフランス。 ジャン・バルジャンという男が、飢えた妹のために1本のパンを盗んだ罪により捕まってしまいます。 窃盗の罪は5年なのですが、何度も脱獄を繰り返したことで罪が増え、結局パン1本を盗んだことで19年もの間囚人としてとらわれていました。 1815年、やっと仮釈放されたバルジャンですが、長い間服役していたたため仕事につくことさえできません。 貧しさにあえぎながら、バルジャンは、高名な司祭がいると評判のある教会へとたどり着きます。 貧しく、元囚人で、身なりもみすぼらしい彼に対して、司祭は優しく声をかけ食事とベットを与えます。 その夜、バルジャンは司祭の大事にしている銀の食器を盗んで逃亡してしまいます。 一宿一飯の恩を、この上もないあだで返したのです。 しかしバルジャンはすぐに警察に捕まってしまい、司祭のもとへと引き立てられます。 しかし、司祭の口から出たのは思いもかけない言葉でした。 司祭は、「食器は私が与えたものだから、この人には何の罪もない」と警察官に説明し、釈放された彼に銀の蜀台を与えます。 荒廃した人生の中で人の温かさに初めて触れ、恥を知ったバルジャンは人生を悔い改め、善人として生きていくことを誓います。 レ・ミゼラブルの時代背景とは? 物語は、1815年から1833年の33年間を描いています。 レ・ミゼラブルと言えば、何となくフランス革命の時代というイメージがあるかもしれません。 しかし実際には、フランス革命が終了した後の時代が舞台となっています。 1815年のフランスは、バルジャンがパンを盗んでしまうのも致し方ないくらい悲惨で貧しい時代でした。 18世紀末のフランス ここで、18世紀末から19世紀初頭にかけてのフランスの歴史的出来事と掛け合わせて見てみましょう。 1789年 バスティーユ監獄の襲撃:フランス革命の始まりとされる事件です。 民衆が監獄を襲撃し、囚人たちを解放したことで、国家秩序が揺るがされる事態となりました。 1791年 ヴァレンヌ逃亡事件:革命の機運が高まるフランスにおいて、身の危険を感じた国王ルイ16世が国外逃亡を図った事件です。 しかし失敗し、宮殿へと連れ戻されることとなりました。 1792年 王政廃止:王政が廃止され、フランスは共和制へと移行します。 1796年 バルジャンがパンを盗む こう見てみると、バルジャンがパンを盗んだのは、フランス革命により政治が混乱し、社会秩序が著しく揺らいだ時期です。 一見、絶対君主制が崩壊し、市民に幸せが訪れたと思われがちなフランス革命ですが、同時に無秩序が横行し社会基盤が揺らいだ時代でもあります。 経済活動も滞り、日々の生活を送る民衆にとっては悲惨な時代だったといえるでしょう。 次に、バルジャンが服役していた間の19年間をみてみましょう。 この期間も、フランスは陰惨な激動の時代でした。 19世紀初頭のフランス• 1804年 ナポレオンが皇帝に即位:英雄ナポレオンが現れ、共和政を打倒し、帝政の時代が始まります。 1805年~1814年 ナポレオン戦争:ナポレオンがヨーロッパ各地へと進軍し、各国と繰り広げた一連の戦争の時代です。 初期は連戦連勝でしたが、次第にフランス軍は劣勢へと追い込まれていきます。 1814年 ナポレオン失脚:フランス軍が連合軍に敗れ、パリが落城します。 これによりナポレオンは失脚し、旧体制である王政が復活します。 ルイ18世がフランス国王の座に収まりました。 1815年 ワーテルローの戦い:再起を図るナポレオンが再度挙兵しますが、連合軍との戦いに敗れ、ナポレオン戦争が完全に終結します。 1815年 バルジャンが出所 新しい皇帝ナポレオンの即位からつづく10年あまりは、フランス軍とヨーロッパ連合軍との戦争が続く時代です。 拡大戦争のさなか、当然社会が豊かになっていくわけもなく、民衆の負担はより重く、貧困は著しかったであろうことが見て取れます。 このように、時代背景を頭に入れておくことで、歴史と物語の関係性が分かり、よりレ・ミゼラブルを楽しめるようになるかもしれません。 ミュージカル レ・ミゼラブルの魅力 ミュージカルファンの方はすでにご存じのことと思いますが、これからレ・ミゼラブルを見る方へ向けて、レ・ミゼラブルの魅力をご紹介します。 フレンチ・ミュージカルならではの音楽 レ・ミゼラブルでは、哀愁漂う楽曲から合唱曲まで、メロディーが美しい楽曲がたくさん歌われます。 新妻聖子さんがバラエティー番組で歌ったことで話題になった「夢やぶれて」や、1人が歌い始め、どんどん人数が増えて合唱になる「民衆の歌」は迫力満点の鳥肌ものです。 ミュージカルの醍醐味である歌を存分に味わえる作品です。 セリフがすべて歌になっているから飽きない レ・ミゼラブルはセリフがすべて歌になっているおかげでメリハリがあり、登場人物の心情も心に響きやすくなっています。 3時間ほどの長編作品ですが、全く飽きずに最後まで見ることができます。 映画版で予習するのもおすすめ これからレ・ミゼラブルを見に行くとい方は、映画版レ・ミゼラブルで予習をしてくのもおすすめです。 映画と言っても、ミュージカルの内容がそのまま映像化されたような作品なのでとても臨場感があります。 時代背景を知ってレミゼをより楽しもう レ・ミゼラブルは、フランスの時代背景や歴史と密接に関係している作品です。 時代を知ることで物語の世界観や登場人物の心情が伝わり、ミュージカルをより楽しめるようになりますよ。 レ・ミゼラブルが好きな方は、ぜひこの記事を参考に、歴史背景についても調べてみて下さいね。

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